デザインコンセプトは創業当時、会社を立ち上げた社長（父親）の職人としての歴史からヒントを得ました。筆一本から始めて現在に至るので、筆一本で立ち上げた会社であることを明確に打ち出すデザインコンセプトに決めました。創業当時（1975年頃）は高度経済成長の時代背景もありまたコンピューターでの制作物、出力されたモノ等はまだあまり無い時代ですから屋外広告や商用車への名入れもほぼすべて筆で書く時代、その正確に素早くまた美しく筆で書く技術が重宝された時代と重なります。そんな時代の中で父も主に昼夜問わず筆の技術で書き続けた職人の一人です。

ですからロゴマークのデザインにはまず、真ん中に一番使用率も高く文字の大きさなど用途に合わせて数多く所有していた楷書等で使用する書き文字用の筆を大きく配置しました。そして同じく角ゴシック体を書くのに用いた平筆と字割り（現場で直接書く際の位置決め）やレタリングの為の下書きに必須の鉛筆をレイアウトしました。そして字割りでもう一つ必須アイテムだった竹のものさしを上部に配置しました。ものさしで正確さや精密なモノづくりへの精神も表してます。また竹のものさしなので微妙にしなっている感じも表現しました。そうすることで上に上にと大きく羽ばたく弧を描くイメージと重なり合っています。更に加えて竹のものさしと真ん中の大きな筆の組み合わせはTAKEZAKOの「T」の字を表しています。
デザイン全体としては技術や伝統の良い部分を継承しながら正確で精密な美しいいモノ作りを心掛けて常に上に向かって大きく挑戦してゆく気持ち、姿勢を込めたつもりです。上に向かってという部分に掛けて絵筆が上を向いています。